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常識のウソ

疑似相関の事例と4つの見抜くポイント

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疑似相関とは

疑似相関」は統計学でよく使われる言葉です。言葉で説明すると「因果関係のない2つの事象が、見えない要因によって因果関係があるかのように推測されること」となります。本来関係のない者同士を結びつけがちな学問においては、特に疑似相関に注意すべきだと言われています。

「疑似」とついていますが、これはデータの数字が違っているわけではありません。これだけではちょっとわかりにくいのでもう少し詳しく説明してみましょう。

例えば小学生を無作為に選んで、小学生に学力試験を課し、さらに彼らの身長との関係を調べました。するとどうでしょう、背が高ければ高いほど、学力が高くなるというとてもはっきりしたデータが取れました。この調査をした人は小学生を選んだ時点で彼らの身長を知らないので意図的にデータを操作したわけではありません。「なるほど身長が高い子は体がよく成長しているから脳も発達しているんだな」なんて思った方は疑似相関に引っかかっています。

からくりはとても簡単です。学年が上がるにつれて身長が高く、学力も高くなります。小学生を無作為に選んだので学年はバラバラです。低学年の児童が高学年と同じテストを受けて勝てるはずがありません。

この調査では「学年」もしくは「年齢」という、影響を与える要素が入り込んでしまうため「背の高さが学力に影響を与えている」という結論は導けません。疑似相関において、「学年」のような本来考慮されていない原因のことを「交絡因子」と呼びます。

具体的な疑似相関の事例

疑似相関の事例をいくつか紹介します

  • 「アイスクリームの売り上げが多い年ほど、溺死者が増える。」(どちらも猛暑が原因となって起きるため因果関係はなし)
  • 「金持ちの人ほど朝型である」(一般的に年齢が上がるほど所得や高所得者は増える。一方で年をとるほど早起きする割合が増える。これだけでは朝型になれば金持ちになれるとは言い切れない)

疑似相関によって誇張される研究の事例

また、因果関係はあるものの疑似相関のせいで必要以上に相関関係が強調されすぎている例もあります。例えば「フライドポテトを週二回以上食べる人は全く食べない人に比べて死亡リスクが2倍になる」ということがニュースになりました。フライドポテトばかり食べていたら、少なくとも良い影響はないでしょう。

しかし、フライドポテトを食べるのをやめたら死亡リスクが半減するかといえばそうではありません。この調査では長期間にわたって人々の食事を追ってきました。しかし、死亡リスクを高めるのは食事だけではありません。

例えば、フライドポテトという安価な食品を食べる人ほど所得が低い。そのため健康に気を使う余裕がなく、ストレスも溜まりやすいという仮説が成り立ちます。また、ポテトを食べる人は健康に対する意識が低く、それが行動に影響していることも考えられます。

フライドポテトをやめたところで、年収や意識などの交絡因子を改善しないことにはそこまでの効果は見込めないでしょう。

宣伝の疑似相関を見抜く4つのポイント

疑似相関は普段から理系の研究や統計学をやっている人、頭の回転が速い人には見抜きやすいと思います。しかし、そうでない人は何とかして見抜かないと、様々な場面で情報に踊らされることになってしまいます。

上の事例のような単なる研究結果なら日常生活にはあまり関係ありませんが、企業が宣伝に使う疑似相関は我々の生活に大きく影響します。それでは宣伝によく使われる疑似相関の事例を紹介します。

1 年収を使った疑似相関の事例

例えば

「この高級車を持っている人はかなりの確率で彼女がいる。女性にもてたいならこの車を買おう」

という宣伝を見てどう思うでしょうか。データが本当だとしても、車を買ったからモテるというわけではありません。高級車を買えるくらいのお金と余裕のある人がモテるのです。

年収と顔の良さは相関があるというデータもあります。

なぜ、外見で生涯年収が4760万増えるか

年収という交絡因子が車の購入率やモテ度の両方に影響しているのです。

2 購買回数を使った疑似相関の事例

これは主に企業の満足度アンケートの数字に使われています。企業は満足度アンケートの数字を上げるため、ほとんどの場合、アンケートを何回も購入してくれる人にしか送りません。何回も購入しているリピーターはその商品を満足して買っている可能性が高いからです。

商品を買うと96%の確率で満足できる、というわけではなく、購買回数という交絡因子が入っています。

宝くじの「この売り場で当たりが出ました」という宣伝も、売れた本数が多いほど当たりやすいというカラクリになっています。

3 他の商品の影響を無視した疑似相関の事例

主に健康食品やダイエットで使われる疑似相関の手法です。例えば一般人を集めて健康食品を食べさせて効果を測定するという実験があります。その際に、効果を正しくするという目的で過剰な食事制限を行わせたり、他の健康に良い食べ物、サプリを飲ませるという手法がかなりあります。

これでは、例え血圧が下がったり体重が減ったりしても、それが本当に健康食品のおかげかわかりません。

他の事例では、大学の合格実績にこの手法が使われます。高校が「東大合格者何名!」と宣伝してもそれが学校の授業のおかげとは言い切れません。合格者のほとんどが近くの有名予備校の東大特進コースに在籍したという例もあります。

もしも合格した要因の大部分が予備校だとしたら、わざわざその高校に入る必要性は薄れます。都会になると予備校の看板講師の授業を簡単に受けられるのでこうしたケースは多いようです。

4 年齢を使った疑似相関の事例

先ほど挙げた朝型と年収の話にも出てきました。年配の人と若者では生活習慣、体質、考え方がそもそも違うので一概に比較はできません。

ある講演で、「年収が低い人は自動車の事故率が高い。年収が低い人は集中力がないから、仕事にも影響するんだ。」なんて話を聞いたことがあります。しかし、これは単に、年収の低い若者が運転に慣れていないだけでしょう。

年齢を使った疑似相関の事例はいろいろなところで見かけます。注意しましょう。

宣伝は習慣を変えることもある

有名な発明家、エジソンは、どうしたら自分のような偉大な成果を出せるかをマスコミに聞かれ、「一日三食食べることだ」と答えました。これを聞いた大衆がそれを習慣化し、一日三食が常識になりました。

しかしエジソンの本当の目的は、自分の発明したトースターを人々に買わせ、電気を使わせることで、運営する電力会社の売上を増やすことだったのです。

これは決して疑似相関の例ではありません。伝えたいのは宣伝は習慣を変える恐ろしい力があるということです。

4つじゃ足りない!! もっと知りたい!!という人は是非こちらを参考にしてください。

現代広告の心理技術101

上に述べた4つのコツを意識し、宣伝の意図を考える癖をつけましょう。

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