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街コン詐欺の体験談
街コンは2010年ごろに大ブームして現在少しずつ下火になっていますが、現在も形態を変えながら、全国各地で開催されています。今回は池袋で行われたほぼ詐欺としか思えないような街コンについての相談を受けました。
今回の相談者Gさん(20代 男性)は某街コンの宣伝サイトから街コンを探していました。街コンに参加したことがないGさんは立地や宣伝文句などから絞り込み、池袋で開催される街コンに参加することに決めました。
男性一人での参加が可能だったことや、夜景がきれいなビルのパーティー会場で開催されることが決め手でした。実際ホームページにも夜景が掲載されており、派手な料理や高そうな酒が並び、いかにも豪華に見えます。
しかし、行ってみるとなんと会場は夜景も全くない、四方を壁に囲まれた会議室。料理も安そうな揚げ物や酒だけが並んでいます。参加者は1000人を超えるはずなのに100人にも満たない有様。司会者はなんとか盛り上げようとしてくれましたが、女性のテンションがあまりにも低すぎて全く盛り上がりません。女性陣のテンションが低いところからみると、彼女たちも同様の被害者なのでしょう。
会議室なのでパーティー会場のように音楽や証明を使うこともできず、もはやただの異種交流会になってしまいました。結局Gさんは悪徳な街コンのために7000円をドブに捨ててしまったのです。もはやGさんには返金を希望する気力さえわいてきませんでした。
街コンとは
街コンとは簡単に言えば、ある地域の複数の飲食店を会場とした数百人規模のパーティーのようなものです。多くの場合は男女の出会いを目的にしています。参加者は目印となるリストバンドをつけているので、事前に参加費を払い、店ではお金を気にせず飲食をしながら近くに座った異性と交友を深めます。
参加者にとっては気軽にたくさんの異性と話すいい機会になります。店側にとってもリピーター獲得や、普段客の入らない時間帯(夕方)の有効利用というメリットがありました。
西洋風の立食パーティーは外交性や会話力が要求されるので、誰と話していいかわからなず苦手、という日本人が大勢います。実際日本人の85%は立食の飲み会よりも座る形式の飲み会を好むというデータもあります。
街コンは日本人にあった形式ということで一時期大ブームになりました。主催者の側も「町おこし」という大義名分を掲げたくさんの街コンが開催されました。
現在の街コンの状況
街コンブームから5年がたち、男女の出会いの場として様々なツールやイベントが登場しました。出会い系サイト、アプリや相席屋などに押され、現在は下火になっています。以前は出会い系サイトというと悪いイメージでしたが、TinderやPairsの登場で随分と悪いイメージが払拭されました。わたしの周りでも、出会い系ツールを使っていることを公言する人がずいぶん増えました。現在はニッチな需要に合わせたアプリやツールが開発されています。
現在の街コンは少しずつ形を変え、人が集まるところと集まらないところが2極化するようになりました。
複数の店舗を使う街コンは大幅に減少
街コンというと複数の店舗が参加するのが特徴ですが、現在は大きなパーティー会場でやるもの飲み会を、街コンという名前で開催される例が増加してきました。
理由は単純で、街コンに協力してくれる店舗が減少したからです。飲食店は街コンに参加することでリピーターの獲得を目論みましたが多くの場合は失敗に終わりました。
例え安い価格で良い物を提供しても、街コンの参加者は街コンの主催者にしかお金を払わないので、値段を全然気にしません。「こんなに安いのにいいものを出してる」と気づいてくれるお客様はあまりいないのです。
男性も女性も出会いを目的にしているので、純粋な飲み会と異なり、あまり料理や酒に関心がいきません。
そしてリピーター獲得に失敗した最大の原因はやはり立地です。街コンは通常町おこしを兼ねているので、立地があまりよくないけど飲み屋が集まっている地域で行われます。
例えばあなたがデートに使えるとてもいい店を見つけたとしましょう。そうしたら例え立地が悪くても、相手の同意があればそこに行く人も多いはずです。しかし大衆居酒屋となれば話は別です。会社の宴会や大人数の飲み会となれば結局立地のいいところから選ばざるを得ません。自分で好きに店を選ぶというわけにはいかないでしょう。
そうした理由もあり現在は大きな一つの会場で行われるのが主流です。主催者もノウハウがあるからやりやすく、店を探す手間も省けるので、どういう街コンにしようか計画を練りやすくなります。一か所に集まってもらえばお笑い芸人を呼んだり、ビンゴゲームを開催するなど工夫の幅が広まります。
2極化する街コン
街コンは大きな会場を借りてたくさんの人を集めれば非常に儲かります。一晩で100万円以上儲けるところもあります。儲かることがわかっているので主催する業者も随分とお金をかけてあらゆるところで宣伝します。
お金をかけて宣伝して、スペシャルゲストを呼んで、たくさんに人を集めて、街コンはそれなりに成功し、良い口コミが広まってどんどん人が集まる、という好循環が生まれている業者は生き残っています。
しかしそこまでお金をかけられないところでは随分と集客に苦労しています。人がどのくらい集まるかわからないから会場も小さめになり、実績も口コミもブランドもないから余計に人が集まらない、という悪循環に陥るところもたくさんあります。最初に紹介した池袋の事例もこれに当てはまります。
儲かっているところはかなりの頻度で街コンを開いていますから、中堅の業者はそこから客を奪わなければいけないのです。人が集まらず街コンが中止になり返金をしてもらえないという詐欺も発生しています。
実際に合った悪徳な街コンの例
ここで実際にあった悪徳な街コンの例を紹介します
- 男女比が半々と謳っているのに7割が男性。女性にしつこく尋ねたらこっそりとサクラだと明かされた
- 複数の人に同じネットワークビジネスに勧誘させられた
- パーティー会場のはずが会議室で行われていた
- 開催店舗数を主催者が教えてくれない 行ってみると小さな居酒屋に50名くらいがぎゅうぎゅう詰で座っていた(開催店舗は1つ)
- 料理が本当に粗悪
- ビュッフェ形式なのに人が多すぎて全然食べられない
- 船の上で行われているのに船が動かない
様々な事例があります。開催が中止にならない限りは返金してもらえることはまずありません。例え開催されなくても返金されず、警察も動いてくれない、という話もあります。
街コン詐欺にあわないためには
街コン詐欺を見抜くには悪徳といわれる業者を覚えたり口コミを調べるだけでは不十分です。街コンは基本的に誰でも開くことができます。会社でなくても個人が開くこともできます。有象無象の個人や会社が名前を変えながら街コンを主催しているのが現状です。
被害にあわないためにはまず、主催者に開催される店舗の数と、参加人数をはっきりと聞きましょう、ここで言葉を濁されたらかなり怪しいといえます。
そして、できるなら大手の実績のあるところを選びましょう。街コンジャパンに載っている中でもさらに実績と良い口コミのあるものに絞りましょう。今のところそれくらいしか対策の立てようがありません。それくらい見抜くのは難しいでしょう。立食パーティーが苦手で、小規模で質のいい街コンに参加したいという人は、違う方法で出会いを求めたほうがいいかもしれません。