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これからの時代を生きるために専門性を身に着けるだけではだめ
「AIの浸透により単純労働者は駆逐される」
「高い専門性と技術を持った人こそが生き残る」
という文言を最近聞くようになりました。これは別に近年になって急に現れた言葉ではなく、30年以上も前から言われています。将来のことはわからないのだから専門性を備えておけというのは、いつの時代も言われてきた言葉です。
少し前にホリエモン(堀江貴文氏)が「保育士は誰でもできる仕事だからどうしても給料は上がらない」という発言をして炎上しました。彼はその2年前にも「介護士は誰でもできる仕事だから、単価は残念ながらなかなか上がらない」と発言しています。
保育士や介護士は仕事をこなすのは大変ですが、職につくのはそこまで難しくありません。しかし原因はそれだけではないのです。
専門職が高給であり続けるための条件
専門職がすべて高級であれば低収入にあえぐ介護士や保育士、弁護士はいないはずです。しかし現実に多数存在しているのが事実。一体どこに原因があるのでしょうか。
専門職でお金が稼げるために必要なのはまず需要があることです。これは誰でも簡単にイメージできると思います。いくら高い技術を持っていてもお金を払う客がいなければどうにもなりません。
それにプラスアルファして以下の2つのうちどちらかを満たしている必要があります。
- 参入障壁が高いこと
- 正しく評価してくれる人がいること
保育士や介護士はどちらも満たしていないため、いくら頑張っても給料が上がらないのは至極当然なのです。
参入障壁が給料に大きく影響する
「誰でもできる仕事」と「誰でもなれる仕事」というのは違います。保育士や介護士は体力的にも精神的にも仕事内容は大変ですが、なるのはそこまで大変ではありません。ラーメン屋だって長く人気を維持するのは難しいですが、参入するのはかなり容易です。よほどよい戦略や差別化を考えなければ価格競争に陥ります。
その反対を言っているのがテレビ局です。なぜテレビ局の人がかなりの高給か考えたことはありますか。アナウンサーでもなければ特別な技術もいりません。就職希望者はいくらでもいるのですから、給料を下げても人は集まるはずです。
原因は放送法によって権益が守られているからです。地上波では数局による寡占状態が続き、それにあぐらをかいてもしっかりとした利益を得ています。テレビ局は参入障壁があまりにも高いので給料が高くなる典型的な例といえます。
参入障壁という意味では国内の日本人だけを考えるのは早計です。外国人でもできるのではないか、AIやソフトで自動化できるのではないかを常に考える必要があります。
仕事が正しく給料に反映されるには
参入障壁が低い業界にも高給取りは多数存在します。プログラマーは誰でもできる仕事ですが、そのトップと底辺の収入格差は相当なものです。プログラマーはコードという客観的に能力が証明できるので、評価がつきやすいのです。
保育や介護、教育にはある共通点があります。それはサービスを受ける人とお金を払う人が違うということです。いくら客に良いサービスを提供しても-、お金を払う人に認めてもらわなければ高収入は実現できません。保育や教育は子供相手、介護は頭のボケた老人相手ですから正しく評価されるという方が大変です。林修先生があれだけ評価されたのも「優秀な東大受験生を相手にしていた」からこそです。
客観的な指標がないのが原因で正しく評価されないという場合も多いですね。著名な作家や芸術家でも、生前は評価されなかったという話も珍しくありません。保育士や介護士は客観的な数字で評価しにくいというのも給料が上がらない原因の一つといえます。
インターネットの普及により人が評価をされやすくなったのは確かです。音楽をYoutubeで流したりプログラマーがコードを公開したり、無名なスポーツ選手が動画の力でドラフト候補に成り上がれる時代になりました。それでも保育士や介護士の仕事は、内容面から多くの人に見てもらうのは困難です。
時代は専門家<起業
大金を得たければ、参入障壁が高く、正しく評価されて、需要のある仕事をやればいいのです。ここに必ずしも専門性入りません。専門知識などあくまでプラスアルファにすぎません。
そんな仕事や方法があるのか、と言われればそれは一つだけ思いつきます。ずばり起業です。
起業は本来誰でも簡単にできるものなのに、それをしようとする人はかなり少数派です。難しく考えすぎて一歩を踏み出せない人が多いのです。「起業は難しい」と勘違いをする人が多ければ多いほどライバルが減ります。
起業すれば評価はダイレクトについてきます。B to Cの商売なら売上がそのまま評価として返ってきます。あとは需要のある分野さえ選んでおけば意外と何とかなります。本当です。ホリエモンも同じことを言っているのですが、起業家は基本的にぶっ飛んだ天才もしくは馬鹿です。馬鹿はビジョンと方向性を示し、下に優秀な部下がいます。
「リスクをとること」というのは誰でもできそうで、最もできないことです。リスクをとるという一歩を踏み出すだけで、どんな専門知識よりも差別化になります。「自分は頭が悪いけどお金がほしい」という人は変に専門家になろうとせず、起業をすべきなのです。