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プログラミングが重要だといわれる風潮の中で流行するビジネスモデル
人工知能だ機械学習だ自動化だなどという言葉を最近よく耳にするようになりましたね。これからの時代はそういった流れに合わせてプログラミングを学ぼうとする人も増えてきています。小学校でもプログラミング教育を必須化する動きもみられています。の元役員、Chamath PalihapitiyaさんはTech Crunchのインタビューで「プログラミングを学ぶのなら、生涯仕事に困らないことを私が保証しよう。」と発言して話題となりました。
今回はその是非はさておき、プログラミングを全くの初心者が学ぶ際に、特に気を付けなければいけない悪徳な詐欺的商法を紹介します。
無料のプログラミングスクールを卒業後に強制的にブラック企業に入ったGさん
今回の紹介者のGさんは都内の大学に入学するも鬱病を発症し中退、2年間ひきこもりになった後、アルバイトをしながらプログラミングスクールに通い始めました。彼が通っていたのは無料の
スクールで、ネットの評判が高いところを選んだそうです。そこで半年間C言語とJavaを学び、紹介されたIT企業に入社しました。
入社とはいってもそこは下請け、孫請けが中心の受託型企業。とにかく人海戦術で長時間労働をさせられ、もともと体が強くないGさんは体を壊して退職を余儀なくされました。
先日、スクールを運営している企業の親会社や提携企業が、ブラック企業リストに複数入っていたことから不信感を感じて相談に北という流れです。
一応説明しておくと、民間のプログラミングスクールは受講生の料金をタダにする代わりに、提携しているIT企業に卒業生を送り込み、仲介料をとることでビジネスを成り立たせています。卒業生を就職させないと金にならないので就職斡旋には99%力を入れています。
面接対策やESのチェック、ビジネスマナーなど細かいところまでしっかりやってくれるのは非常にありがたい話です。一方でスクールと提供していない企業に就職しようとすると、授業料を請求してくるような悪質なところもあります。例え「○○や○○(超大手の有名IT企業)に就職者がいます」という宣伝があっても信用してはいけません。
その実績が完全に嘘の場合もありますし、かなりできる人をスカウトしてスクールに籍だけ置いてもらって実績を稼ぐ話も珍しくはないようです。まあ逆に考えれば受講者が万が一にもGoogleかサイバーエージェントにでも採用されてしまったら、実績になるのでお咎めはないのでしょう・・・。
こんなプログラミングスクールはダメだ 高すぎるのも安すぎるのも要注意
プログラミングスクールは10年ほど前はほとんどなくかなり新しいビジネスモデルです。それもそのはず、世の中がプログラミングの重要性に気づき始めたのは2008年頃だと言われているからです。それゆえにまだ相場というものが定まっていません。長い歴史と伝統あるスクール、なんてありませんから、まずはネットの口コミと宣伝と値段の3つが判断材料になります。
プログラミングスクールの良しあしの見分けは結構簡単につきます。そこまで巧妙な手口は聞かないのでまずは以下のポイントをチェックしましょう。
教える人が一番大事なのは言うまでもない
- メンターは必ず現役のエンジニアである
- オフラインで対面する機会がある
- しっかりと学習プログラムを立ててくれる
- 質問対応だけで終わっていない
- 提携している企業に就職しなくても罰則はない
- ある程度新しめの言語(ruby かpython)が学べる
- 体験授業がある
- 卒業後もテキストが閲覧できて復習できる
こんなところでしょうか。この中でも特に注意しておきたいのが「誰が教えているのか」という点です。一番大事なポイントの一つですが、ここが不十分なスクールがかなりあります。「研修を十分積んだベテラン」と言っておきながら、実際はプログラミングができる学生アルバイトだったりします。
学生でもプログラミングがめちゃくちゃできる人はいます。でもそういった人は絶対にスクールで働いたりなんてしません。学生でできる人はインターンをするか、自分で受託、開発したほうがよっぽど稼げます。勉強ができる東大生が家庭教師をするのとはわけが違うのです。
だからといって年寄りだったいいというわけでもありません。今はあまりコードを書かずにSEや管理職をやっている場合は少し注意が必要です。もちろんそれ自体は悪いことではなく、講師が新しい技術やトレンドを学ぶ姿勢がないと、的確なアドバイスがもらえないかもしれません。とはいえ、そこら辺の学生バイトよりよっぽどましなのは確かです。
学習をダラダラと引き延ばすスクールは注意
スクールの受講料は例えばPHPコース、1カ月5万円、3か月12万円などのようになっています。期間内で満足できなければ追加で料金を払うことになります。始めから「あなたも一カ月で自由自在にコードが組める」なんていう派手な宣伝文句は要注意です。(この一カ月が「720時間」という意味で言っているなら嘘ではないかもしれませんが・・・)ド素人なら少なくとも3か月は続けないと人に言えるような成果は出ません。
スクール入校時にどのレベル達するか聞いていきましょう。「平均的な受講生はどのくらいですか」と聞いても「本当に頑張り次第としか言いようがない」と答えられたら少し怪しいですね。まずは自分の学ぶ言語や作りたいサービスを徹底的に調べてどのレベルまで達するか、入校時に質問できるように準備しましょう。
体験授業がいかにわかりやすくてもそれだけでは信用できない
プログラミングスクールの中には体験授業をやっているところも少なくありません。何も知らない初心者が学ぶ場合「わかりやすいかどうか」だけで選ぶのは絶対にやめましょう。なぜならプログラミング学習において最初は恐ろしく簡単だからです。
プログラミングというと難しいイメージがあるかもしれませんが、基礎の基礎の学習はかなり楽しいものです。(言語による)特にruby,html,pythonを習う場合、「こんなにも簡単なんだ、結構楽しいし授業も理解できるしこのスクールにしよう」と大抵思うはずです。
ところが、学習を進めるうちに少しずつわからなくなる、そして「どこから質問したらいいかわからなくなる」という事態がやってきます。わからないところはメンターに質問し放題、と宣伝していても、本当にそうでしょうか。わざわざわからないところを質問するのはある程度勇気のいることですし、「どこがわからないかを理解している」ならgoogleで調べれば終わりです。チャットサービスを使っても解答まで時間がかるのがかなりの難点です。
講師が「質問にきたら答える」という受け身な姿勢ではなく、定期的に一対一で質問できる時間が儲けられているところを選びましょう。コードの話だけでなく、キャリアの話、労働環境の話なども気軽に質問できます。
提携企業に就職する義務があるところは避けるのが吉
就職の仲介で成り立っているとはいえ、これはかなり非人道的ではないでしょうか。企業が本来社研修でお金を払って行うべき教育をスクールに丸投げして、採用の経費を減らしているとも考えられます。
本当に社員を大切にする会社であれば、新卒を雇ってしっかりと自社で教育するか、即戦力に惜しみなく高給を出すはずです。無料のプログラミングスクールが紹介する就職先はあくまでキャリアアップの踏み台と考えたほうがいいでしょう。ブラック企業でもしっかり技術を身につければ他社で潰しが利くのがこの業界のいいところです。
最近は好景気で学生の採用辞退が増えて、中小企業は人材の確保に苦しんでいると聞きます。景気が上向いているこそ悪徳なスクールを選ばない目が必要になってきます。
料金が高すぎるところも要注意です
タダより高い物はない、とはいえ高すぎるところも単なるぼったくりの可能性があります。就職したらこれだけ稼げる、元が取れるという宣伝文句に惑わされずにしっかと比較して選びましょう。
プログラミングを学ぶ方法は星の数ほどある
最近は様々なサービスが生まれプログラミングがほぼ無料で学べるツールも増えてきています。
私が仕事で使う際にはProgateを使って一カ月1000円程度で手を動かしながら学んでいました。
ほかにもわかりやすいブログや、ドットインストールなどの動画解説、paizaラーニングのように手を動かして問題を解けるサイトも選択肢に入ります。
大きく分けてプログラミングを学ぶ方法を分けてみると
- 有料のスクールに通う
- 無料のスクールに通う (オンライン、オフライン問わず)
- 大学で勉強する
- 本を読みながら独学する
- インターン、もしくは社員研修で学ぶ
- 国が提供している職業訓練校で学ぶ
- WEB上のサービスで学ぶ(Progateなど)
上記の7つになるのではないでしょうか。この中では本だけ読んで独学しようとする人はまず挫折します。
あのホリエモンは学生の頃に本を読みながらコードを写経のように移してコーディング技術を磨いたそうですが、それでできるのは一部の天才に限られます。
上記で紹介した方法のうち、大学で学ぶ、有料のスクールで学ぶ方法以外はほぼ無料だということに気づきましたか。無料、もしくは月額1000円程度でプログラミングを学べる方法は山ほどあります。
初心者を脱した後に何をするのかが一番の難関
現在のプログラミング学習を語る上で言っておきたいのは、全くのド素人が脱初心者くらいのレベルになることはできても、中級者以上の人が無料で学べることはあまりない、ということです。はっきり言ってしまえばプログラミングは簡単です。ある程度のレベルまでは。
数学でいえば教科書の公式を覚える、英語で言えば文法と基礎的な単語を抑えるところまでは簡単です。
ところがその先は苦労します。基礎的なことはわかってもそこから自力でアプリを作ったりするのは大きな隔たりがあります。
ある程度の「ググる力」と論理的思考力があれば何とかなりますが、そうでないと何をやったらいいかわかりません。
そこでどうしても上達したい人が吸い寄せられるのが、無料、しかも就職斡旋つきのプログラミングスクールです。Twitterのようなアプリがあなたにでも作れる、みたいな宣伝文句で受講生を集めて、提携企業に送り込みます。
決してこれは誇大宣伝ではありません。Twitterの仕組みを持つアプリならフレームワークを使えばそこまで難しくありません。
プログラミングが標準装備の時代へ
以上のすべての条件を満たすとなるとかんり選択肢が狭まるのは確かです。地方だとなかなか選択肢がないという人もいるでしょう。
そういう場合は素直にオンラインの有料のスクールを使うのが一番コスパがいいですね。
おすすめのプログラミングスクール10選とかのキュレーションサイトは本当に役に立ちませえんし、企業の宣伝を鵜呑みにしている感があるのであまり信用しない方が良いでしょう。
エンジニアとして就職に成功した方の体験談の記事(下記に記載)は本当に参考になります。