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クレジットマスターとは
クレジットマスターという詐欺の手口をご存知でしょうか。クレジットマスターとはクレジットカードを用いた詐欺手法の一つで、他人のカード番号を用いて他人に成りすまして、買い物をするという詐欺のひとつです。最大の特徴はそのカード番号の盗み方にあります。磁気データを盗みとるスキミングや他人のカード番号を直接盗み取る手法とはまったく違い、とにかく適当に番号を作り出して、総当りで番号を生成していくという手法です。
ある意味では無作為に作った電話番号で行うアンケート調査や、迷惑メールを何万通も送り続けるスパムのようなやり方です。クレジットカードの番号は一定の規則があり、その法則に従えば使われている番号を作り出すことはそんなに難しいことではありません。比較的、対策が難しい詐欺といわれています。
有名な例では中居正広さんがこの詐欺手法に引っ掛かりそうになったと語っています。
摘発されてからは急激に衰退したように思えたが
他人のクレジットカードを使って買い物をすれば、当然ネットショップの側に住所が渡ることになり、当然足がつきます。警察が捜査をすれば簡単に住所から個人を特定することができます。2009年の7月に初めての逮捕者が出て以来「クレジットマスター」という言葉が有名になりました。
意外に思えるかも知れませんがクレジットマスターの最大の被害者はカードの本物の持ち主ではなく、それを補填する保険会社です。カードを不正利用された場合は持ち主にちゃんと返金する義務があります。カード会社のほうも、カードをたくさん使ってほしいため、「クレジットカード=詐欺にあう」という認識が広まるのを恐れています。
アマゾンやメルカリを始めとするネットショップが大流行するとともに、カード会社は対策に乗り出すのは当然の流れです。クレジットマスターは外国でも行われているので、突然外国からの買い物がないか、不自然に高い買い物がないかをしっかりとチェックするようになりました。
そのような懸命な対策のおかげでクレジットマスターの被害額はかなり減少してきています。しかしその被害がゼロになったわけではありません。クレジット会社の監視をかいくぐるような手法も登場しています。あなたのカードもいつその被害に遭うかわからないのです。
現物を受け取らなくてもいい商品をネットで不正購入する手口
現代の社会は情報社会といわれ、インターネット上でさまざまな情報があふれています。そのような情報はすべて無料とは限りません。情報商材を有料で販売するサイトやnoteのような有料ブログサービスが続々登場しています。電子書籍やWEBデザインのテンプレート、動画の販売も
「一度情報を手にしてしまえばそれ以上は必要ない。なおかつネット上で取引がすべて完結する」
という性質を持っています。そこに目をつけた詐欺師が大勢いるという話をクレジット会社の関係者の人から聞きました。
具体的に言うと、他人のクレジットカードの番号を無作為に作成して、有効期限などが当たるまで総当りでアタック。突破に成功したらそのカードでネット上の有料の情報を購入します。たとえカード会社か、カードの持ち主が不正利用に気づいても、犯人は個人情報を明かさないので足がつかずに迷宮入りといった具合です。
パソコンなんて中古でいくらでも安いのが売っている時代ですから、IPアドレスだけから犯人を特定するのは困難なのが現状です。よほどうまくやらない限りはこの手の詐欺の撲滅は難しいを思われます。
クレジットマスターの対策方法は主に2つ
クレジットマスターは自分のカード番号がたまたま使われてしまえば被害にあうので本当に防ぎようがない詐欺といえます。クレジットカードを一枚でも使っている限りはクレジットマスターのリスクをゼロにはできません。
一般的には対策がまったく存在しないといわれていますが、できることは2つあります。対策方法を大きく2つに分けると
- 被害を最小限にとどめるために明細をしっかりチェックする
- そもそもクレジットマスターの被害にあいにくいカードをつくる
の2つがあります。
1 明細をしっかり見ないと保険が利かないこともある
クレジットカードを使う場合は、とにかく明細書を毎月しっかり見るというのは不正利用を防ぐ基本中の基本です。本音を言えば月一ではなく、もっと高い頻度で確認してほしいと思っています。
しかし忙しい社会人であれば月に一回も明細を見ないという人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめなのは、カードが使用される度にメールで通知してくれるカード会社です。有名どころだと楽天カード、エポスカード、イオンカードが通知サービスを行っています。
カードの不正利用の保険が効く期間は会社によって違いますが、おおむね2ヶ月前後となっています。不正利用をされていても、気づかずに保険の有効期間が過ぎてしまうというのはとても悲惨です。
2 そもそもクレジットマスターにあいにくいカードを使う
カード番号は無作為に入力されるため、一般的にはどのカードも問う確率で被害にあうように思えますが、実はそれは間違いです。それはカード番号の性質を少し考えればわかります。クレジットカードの最初の数桁はカードのブランド(VISAなど)と発行会社(三井住友銀行など)を表しています。
カードの種類によって客層は大きく異なります。JALやアメックスのゴールドカード、ダイナースクラブのような高所得者向けのカードは限度額が高く、高額な買い物も多いので、外部者が少し高い買い物をしてもばれない性質があります。それに加え、本当の持ち主も細かく明細をチェックしない傾向にあるので、詐欺が発覚しにくいのです。
少し前にクレジットマスターが大きく取り上げられたころの被害者は圧倒的に高所得者向けのカードだったそうです。
逆に、低所得者向けのカードなら詐欺にあいにくいというわけです。ヤフーカード、セゾンカード、リクルートカード、ライフカード、エポスカードの5つが総合的に見て学生向け、低所得者向けのカードです。無理して高望みをせずに、ほどほどのカードにしておくのが、クレジットマスターを未然に防ぐ唯一の方法です。
まとめ どんなカードが詐欺に逢いにくいのか
クレジットカードの詐欺は多数ありますが、限度額が高く、審査の厳しいカードほど詐欺の餌食になりやすいことは概ね共通しています。比較的ステータスの高いカードを持っておくのもいいですが、予備として一枚、審査のゆるいカードを持っておき、普段の買い物はそちらを利用するなどして対策しておくのがよいでしょう。