メルカリの個人取引は危険がいっぱい
ネット上の買い物に関する相談は相変わらず多くあります。一因となっているのはフリマアプリの台頭で、素人が簡単に商品を販売できるようになったことです。最近は高校生の出品者も増えているようです。アマゾンやヤフーオークションは出品にクレジットカードが必要ですが、メルカリなどのフリマアプリはスマホ一つで簡単に出品できます。
出品に慣れていない方は、経験者からみれば信じられないような出品をします。コンディションの説明や写真がない出品、はたまた本の題名をのせず「医学本」とだけ書いてあるような出品も見たことがあります。本の題名がなかったらどうやって検索するんでしょうか(笑)
反対にフリマアプリには購入に慣れていない客も多くいます。コンディション、出品者の評価、商品説明の確認という当たり前のことができない人が多いですね。それを逆手にとったような詐欺も横行しています。
ちょっと前に、ps4の写真を売った中学生がtwitter上で話題になっていました。ほかにもiPhoneを箱だけ売った出品、エラーコインの写真を売った出品などがありました。
どれも商品説明を細部まで読めば引っかからないようにできているのですが、慌てて飛びつく人を狙っています。嘘はついていない分、巧妙で悪質な詐欺ですね。
今回は最近耳にした巧妙な詐欺の手口を紹介します。
メルカリの販売手数料は商品代金の10パーセントです。出品者の中には高いと感じる人も多いと思います。相談者のBさんはメルカリで、そこそこ安く家電を売っている出品者を見つけ、何回かその出品者から商品を購入していました。
ある日電子辞書を購入すると、商品と一緒に手紙が入っていました。「メルカリで商品を取引すると販売手数料がかかるから個人取引をしたい。こちらのホームページから申し込むとメルカリより少し安く販売できる」という旨のメッセージでした。Bさんは個人取引が規約違反であると知りつつも、安く家電を購入できることに魅力を感じ、指定されたホームページから商品を購入しました。その業者は非常に対応もよく、商品のコンディションも良かったため、その業者をすっかり信頼していました。
ある日、Bさんはその業者から美味しい話を紹介されました。最新の相場2万円の電子辞書があるが、多く仕入れすぎてしまったためいつもお世話になっているお客様に安く譲りたい、もちろん必要なければ転売すればいいし、最新の人気商品なので確実に転売で利益が出るという話でした。Bさんはいつも通り先払いで電子辞書を購入し、転売した結果6000円の利益を出すことができました。
そんなBさんのもとに新たな美味しい話が業者から舞い込んできました。一時的に倉庫が使えなくなってしまい、大量のテレビの置き場に困っている。もしよかったらすこし安めの価格で購入して転売しないか、という話でした。テレビの細かい型番やコンディションは不明でしたが、電子辞書の転売で味をしめ、業者をすっかり信頼していたBさんはテレビ10台を60万円で購入しました。
しかし、届いたテレビはすべて中古でネットの相場は一万円程度。Bさんは1台6万円程度で購入したため、すべて売っても50万円以上の大損です。結局Bさんのもとに残ったのは大量の安い中古のテレビだけでした。業者に電話をかけてもつながらず、メルカリにも規約を破っているため相談できません。業者のほうもテレビの型番、コンディションを説明していないため、詐欺とはいいきれず、Bさんは泣き寝入りするしかありませんでした。
業者の手口の巧妙さはいくつかありますが、1番のポイントは電子辞書をBさんに転売させて利益を出させ、信頼させていることでしょう。業者の対応がすごくよかったのもBさんを信頼させるための餌だったのでしょう。
もしBさんがもう少しネットの買い物に慣れていたら、買う前に型番やコンディションを確認していたかもしれません。
ネットで賢く買い物をするのにも、経験や情報が必要な時代になってきました。皆さんも美味しい話に騙されないためには、インターネットで商品を買わないのではなく、ネットショップを適度に活用し、経験と正しい情報を手に入れることが大切なのではないでしょうか。