浪人のメリットとデメリットを総合的に考えてみよう
センター試験もおわりいよいよ受験シーズンがやってきました。当たり前のことですが受験には合格するひとがいれば、その何倍も不合格になる人がいます。第一志望に入るため浪人を決意する人もいっぱいいるでしょう。
ここで避けては通れないのが、浪人と生涯年収の話。「浪人すると生涯年収が1000万円減る」というような話は誰もが一度は聞いたことがあると思います。単純に考えれば、浪人すると働く年数が一年減るわけです。年齢のせいで昇進を逃す可能性もあります。
しかし、生涯年収というのはそう簡単に検証できるものではありません。浪人することで難関大学の合格を勝ちとって人生を有利にしたり、浪人時代の経験が生きる場合も多くあります。
ここでは浪人のメリットを挙げてみましょう。
目次
基礎学力があがる
浪人をせず大学に入ったとしても、高校時代の学習内容を完璧にこなしている人などいないでしょう。英語や数学の理解があいまいなまま専門的なことを学んで挫折、なんて学生を多く見てきました。
はっきり言ってしまえば、大学受験で使う古文漢文、社会なんて大学でほとんど使いません。歴史や古文は所詮教養として知っておいたほうがいい程度のものです。「賢者は歴史から学ぶ」という言葉はありますが、歴史は大雑把な流れを押さえておくことに意味があるので、細かい知識を深追いするのは無意味でしょう。
しかしながら、英語と数学はいくらやってもきりはないですし、やればやるほど役に立ちます。大学に入ると入試よりもさらに多くのことを学ぶので英語に時間を割くことは難しくなります。
英語は文系でも理系でも入試に必要なので、徹底的に学びましょう。ただし受験英語にとどまるのはとてももったいないと思います。英語を「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく鍛えることが重要です。
たとえ入試に英作文やリスニングがなくてもおんどん挑戦してほしいです。予備校に通っていれば英作文を添削してもらうのが理想です。リスニングも受験のために作られたものではなくニュースなど生の英語をどんどん聞きましょう。TOEICも受けると実力がわかりますし、モチベーションアップにつながります。
ちなみに私は浪人中、こちらのオンラインで英会話を習っていました。
数学も重要です。高校時代の得意科目と平均収入の関係を調べた研究では、数学が最も得意だった人は、国語が最も得意だった人より平均年収は183万円も高くなっていました。
理系だけにとどまりません。京都大学の西村和雄に教授は、数学が得意な文系大学卒業者は、そうでない文系大学卒業者よりも、年収が高いという研究結果を発表しています。そんなに違ったら年収1000万円なんて6年で元が取れてしまいます。
数学によって論理的思考力、抽象的な思考が磨かれると将来仕事で生きてきます。世界一の富豪ビル・ゲイツの名言に「問題を切り分けろ」というものがあります。数学は困難を人ひとつ切り分けて解きほぐしていく最良の訓練になります。
大学に入ったら、公式と過去問をテスト前に覚えて数学の試験を乗り切るような人が大部分ですから、時間のある浪人時代にじっくり数学の本質と向き合うことは有意義です。
時間がたっぷりある
浪人はつらい時期であることは確かです。日々大した変化やイベントもなく、学生でもないのに淡々と勉強をして、たった1発の試験に備える。私自身も体験しているのでつらさはわかります。
しかし、浪人は勉強だけではありません。
予備校で出会った仲間と支えあって友達もできる・・・
そういう考え方もあるでしょうが、お勧めしません。浪人生は基本的に孤独になるべきです。友達とワイワイなんて大学に入っていくらでもできるでしょう。社会に出てからも、仕事に追われ、会社や家族の都合で自分の予定が狂わされます。
その点、浪人生は一定のペースで生活できます。授業時間は決まっているので、残りの時間は自分のやりたい勉強をすればいいのです。いらない授業を休むという選択肢もあります。これほど孤独になるのにうってつけの環境はなかなかありません。
この孤独な時間にぜひ自分と向き合ってください。自分の将来の目標や、大学でやりたいこと、自分の適性を様々な角度から考えましょう。就職活動の時期に考えているようでは遅いです。
孤独に考えるといったって、部屋でただうんうんとうなっているだけでは答えは見つからないでしょうから、たくさんの本を読みましょう。どんな世界的名著でも、アマゾンなら中古で安く買えます。たった数百円の本が人生に決定的な影響を与えることも十分あり得ます。自分もブログを書いて情報を発信しようと思ったのは、浪人中に読んだ一冊の本がきっかけです。
浪人は親がお金を出して買ってくれたモラトリアムです。どうかその時間を無駄にしないでください。勉強だけではつまらないときは、友達とだべったり、ダラダラするのではなく、自分と向き合う時間を取りましょう。