目次
求人票が正しく読めないのはやばい
就職活動中やアルバイトを探すときに、「労働条件が思っていたのと違う!求人票に書かれていたのは嘘だったのか」と感じた経験のある人は多いのではないでしょうか。ほとんどの企業は人材を確保するために求人票をうまく操作し、あの手この手で求職者をひきつけます。求人票の中には嘘が含まれていることは日常茶飯事です。
しかしながら、大半の場合は、合法もしくは法律的にグレーな手法が用いられています。明らかに違法な場合は訴えるべきですが、「自分の無知」のせいで求人票を読み違えるのは自己責任です。今回は求人票を正しく読んで自分を守る方法について書いていきます。(追記 2018年1月1日より職業安定法の改正で、求人票の内容に一定の法的拘束力があるようになりました。労働条件の変更には書面による確認が必要になりました)
勘違いしやすい求人用語
週休二日制と完全週休二日制の違い
完全週休二日は、継続的に毎週二日の休みがある、という意味です。 一方で、週休二日は、「一カ月に少なくとも一回は2日休みの週があり、それ以外の週は一日だけ休み、」という意味です。両者を混同してしまう人が後を絶ちません。後者の場合は大体の週は一日休みなので、慣例によって、2日休みの週も片方の休日がつぶれてしまう例をよく聞きます。ちなみに「週休制」とは週に一日休みという意味です。
基本給と月給の違い
月給の中には、基本給のほかに、様々な手当てや残業代が含まれます。たとえば「月給20万円、ボーナスは基本給の2か月分」と書かれていたとしても、ボーナスはおそらく40万円ももらえません。基本給が15万円なのに、残業代を5万円に固定して、賃金を多く見せるという詐欺まがいの手法です。残業代が固定なのをいいことに、長時間の残業を強いられることを覚悟した方がいいでしょう。
フレックスタイム制と完全フレックスタイム制
入社時刻と退社時刻を自由に決められるのは魅力ですが、“完全”とつかないフレックスタイム制の場合は大抵、コアタイムという必ず出勤しなければいけない時間帯が存在します。
平均継続年数には退職した人は含めない
平均勤続年数は現在会社にいる人の中の平均をとります。よって、新入社員を多く採用し始めたような会社は平均勤続年数は短くなりがちです。ほかにも、節税対策のために新しく作られた子会社や、事業拡大のために採用を増やした急成長中の会社も短くなりがちです。平均勤続年数が短いからダメというわけではありません。
交通費支給は交通費全額支給と違う
交通費支給と書かれていて上限が書かれていない場合も実は上限があるケースが結構あります。面接の際に確認しておきましょう。
年間休日日数とは
年間休日日数には有給休暇は含まれません。週ごとの休日日数も使えば、お盆や年末年始にどのくらい休暇があるかを逆算することができます。
年俸制でも残業代は出るんですよ
年俸制はみなし残業が契約に含まれていることが多いため、残業代を申請できないと勘違いしている人も多くいます。みなし時間制とは、非常にざっくり言うとあらかじめ想定されうる残業時間を予想してその分の残業代を年俸に含ませることです。しかしそのような年俸制でもみなし残業時間を超える分の残業代は追加でもらえる権利があります。
年俸制はボーナスや各種の手当がないという特徴はありますが、残業代は出るので、年収が確定してしまうわけではありません。
求人広告を信頼してはいけない理由
知り合いが転職をした際、面接で労働条件があまりにも求人票と違うことに言及したら
「その求人票に書いてあることはずいぶん過剰広告だねー。それは嘘だよ」
と他人事のように言われ衝撃を受けた語っていました。面接官にとっては求人票の内容にこれっぽっちも興味がなかったのでしょう。
求人広告はそもそも求職者に向けた看板のようなものなので、求人広告は法的拘束力をもちません。道にある看板の内容が少しおかしくても、わざわざ訴える人がいないのを同じです。求人広告の内容と違っていても、面接時や契約書で正しい内容を伝えていれば法的には問題ありません。内定を出した後に、契約書にサインするケースがほとんどなので、企業にとってはやりたい放題です。
もし騙されていると感じたら労働基準監督署へ
上のような様々な権利を認められていないと感じたら、労働基準監督署へ駆け込んでしまうのも有効な方法です。客観的な証拠がなくても自分で記録をとれば十分な証拠となります。私もいったことがありますが、あまり気構えずにいける場所だという印象は残っています。対応も高圧的ではなく、お役所仕事という感じもありませんでした。
四季報を見よ
就職四季報には離職率や平均勤続年数はもちろん、初任給の内訳が新しく項目に加えられました。手当や固定残業代によって給料を多く見せる手法を見分けやすくなります。
2017年度版の四季報では初任給の内訳を開示した企業は6割もありませんでした。そうした会社のほとんどは内訳のうちの基本給が低くなっています。いかに多くの企業が給料を多く見せていたかがよくわかります。