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常識のウソ

下積み原理主義の時代は終わった。短期間で効率よく学ぼう

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先が見えない下積みほど意味のないことはない

「寿司職人になるために長い修業は必要か」ということが以前ネットで大きな議論を呼びました。その発端となった出来事は、関西のある寿司屋がミシュランガイドに掲載されたことです。

その寿司屋は専門学校で3か月寿司づくりを学んだ後に、開店11カ月にしてミシュランに掲載されたのです。彼らが学んでいたのは、飲食人大学の寿司マイスター専科というところです。最初は「3か月で寿司が学べるはずがない」「長い修業が大事なんだ」という意見が大半でしたが、結果を出したことで、称賛する声が増えました。

 

一般的に、長い下積みこそが大事であるという考え方を「下積み原理主義」と呼びます。

その反対に、時間を大切にし、効率よく結果を残したものが偉いという西洋的な「効率主義」の考え方が広まっています。

Time is money の本当の意味

「Time is money」これはよく日本では「時は金なり」と訳されます。時間はお金と同じくらい大事だから大切にしなければいけない、という考えです。

しかし、この訳し方はシンプルに考えれば不自然な訳し方なのです。なぜならこの諺は「時間はお金である」としか言っていません。大事だとか大切という言葉は一切入っていないのです。

 

Time is moneyの本来の意味は「時間はお金である」です。もっとわかりやすく言うと「時間はお金になる」という意味です。

例えば「自分の1日という時間をうまく使えばそれはお金になる」と考えます。もちろん時給で考えることもできますが、その時間を利用して新たなビジネスを考えたり、売り込みをすることで長期的にお金になるのです。

つまり、1日を無駄にすることは、その時間に生み出せるはずの利益を無駄にしてしまっていると言えます。

これはミクロ経済学で「機会費用」と呼ばれる重要な考え方です。例えば、時給2000円のバイトをする機会があったのに、その機会を逃してサークルに行く。これによって貯金額は1円も変わりませんが、機会費用の考え方では2000円の損となります。

 

ここで寿司屋の例に戻ってみましょう。この業界では「飯炊き3年、握り8年」と言われ、10年ほどの修業が必要と言われています。それならまだしも、寿司屋の見習いは掃除や皿洗いなどの雑用を任されます。

なんとか雑用係を抜け出してようやく厨房に立てると思ったら、3年も飯を炊きます。3年間給料もわずかながらもらえて、飯の炊き方も覚えたからまだましだ、と考えがちですが、そうではありません。

3年間効率よく働けば得られるはずであった、技術、経験、経営学、利益(機会費用)を無駄にしています。専門学校で効率よく学べば自分の店も持てたかもしれません。

 

日本人に下積み原理主義の考え方が根強いのは、この機会費用の考え方が薄いからだと感じます。本来は「時間をかけたら損だ」と考えるところを「時間をかけていて偉い」と考える人が大勢いいます。

 

下積み原理主義は経営者に都合がいい

下積み原理主義は労働者のためを思って作られたわけではありません。この考え方は経営者が自分たちの都合を考えた結果到達した結論なのです。

 

寿司屋を経営するには、当然皿洗いや掃除などの業務が必要になります。会社でもコピー取り、お茶入れ、花見の場所取りなどが必要となります。しかしこのような作業は誰もがやりたがりません。誰でもできる業務のために新たに人を雇うのも人件費の無駄です。

 

そこで経営者は、若手や見習いに「忍耐や下積みは後から生きてくる」などとを並べることで解決するのです。

 

下積みが不要なのはセンスがある人だけなのか

下積み原理主義者は頻繁に「下積みがいらないのはセンスや才能がある一握りの奴だけ、凡人には修業が必要」と反論します。

確かにこれは一理あると思います。何事も未経験が短期間で効率よく完璧に学ぶのは大変です。ある程度のセンスや向き不向きもあるでしょう。下積み原理主義を批判している人に限って天才肌の人だったりするので無理もありません。

しかし、だからこそ長い下積みは不要だと声を大にして言いたいです。人は何事も実際にやってみないと向き不向きはわかりません。それなら最初から実践的なことをやって向いているか試すのが一番ではないでしょうか。長い下積みを経て、やっと実践的なことができたと思ったら、実は向いていなかった、では下積みの期間が完全に無駄です。

日本の長い歴史の中で今ほど「やりたいことをすぐ行動に移せる」時代はありません。職業選択の自由、文化的な生活が保障され、女性も社会に出る時代です。インターネットや交通機関が発達し、商業圏もかつてないほど広がっています。例えニッチな分野でもインターネットで探せば大抵教えている人はいるでしょう。

こんな良い時代に昔の慣習にとらわれて下積み原理主義に染まる必要はありません。

Time is moneyです。やりたいことはすぐに実行に移さないと損ですよ。






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