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英語の教材は詐欺が横行しやすい
ネット上で販売されている英語の学習教材には無料のものから100万円近くのものまで様々あります。紙やDVD、PDFなどで作られた商材は一度終わってしまえばおしまいでアフターサービスがないという性質上、様々な詐欺が横行しています。
「高額の英語の教材を買ったら、単なるフレーズ集で普通の本屋に売っているものと変わらなかった」
「聞き流すだけで英語耳ができるといわれたが、3か月聞き続けても何も変化がない。返金したくても最初の契約でできないことになっていた。」
「90日で英語を話せるという宣伝文句だったが、とにかく難しい理論をこねくり回すだけで、90日も続ける気力が起きない。90日でマスターできるというのは机上の空論だった」
「分厚い教材だったが、8割以上先生の生い立ちや個人的経験ばかりで肝心な部分がほとんど書かれていなかった。」
「定期的に教材が届くはずだったが途中から教材が届かなくなった」
「海外旅行に関するアンケートで海外に行きたいと答えたら、別の部屋に連れて行かれ無理やり英語教材を買わされた(キャッチセールス)」
様々な詐欺が横行しています。
数ある教材の中でも英語が一番売れていく理由
ネット上で売られている「情報商材」といえば英語だけではなく
「お金持ちになる方法」「何もせずに収入が入ってくる方法」「恋愛必勝マニュアル」「2か月であなたもムキムキになれる秘訣」
など胡散臭いものがネット上にあふれていますよね。その中でも英語は
- 日本人の多くの人が学校で何年間も習ってなお、話せないとう悩みを共有している
- 日本人は英語を話せることにあこがれを持っている
という2つの特徴を持つため、教材を買わせるターゲットが他のジャンルより多いのです。
例えば筋肉をつければかっこいい、というのは多くの人が思っていますが、多くの人は本気で筋トレをしたことがないでしょうから「本気を出せば秘密のマニュアルなんて使わなくても筋肉はつくはず」と、心の中で思うため、そこまで多くの人が買いたがりません。
英語は入試のために本気で勉強したにも関わらず、苦手な人が大勢いるので、秘密のマニュアルにすがりたくなるのも頷けます。ターゲットが多いとなればそこに漬け込む詐欺師もたくさん発生するのは自然な流れです。
聞き流すだけ、○○するだけ、という話のカラクリ
スピードラーニングを聞き流すだけで英語が話せるようになったと語る人も確かにいます。しかし言語の習得の段階で自ら発声せずに上達することはあり得ません。聞き流すだけで上達していたのではなく他の学習方法も同時に行っていたと考えるのが自然です。
本気で英語を話したいなら、一つの教材のうまい話を信用しすぎるのではなく、半信半疑になって他の教材も使うのが自然です。
これは、ダイエットに効くというサプリメントをたくさん飲みすぎて、いったいどのサプリメントが利いたかわからないというケースと似ています。相関関係と因果関係の違いを意識していればこうした詐欺に騙されることも少なくなるでしょう。
英語の教材を選ぶ際に注意する点
- ターゲットが明確かどうか調べる
英語の学習と言っても、TOEIC TOEFL 海外旅行 ビジネス 留学 完全な初心者向け など目的やターゲットはたくさんあります。海外に留学しようか考える人と、アルファベットも怪しい人に同じところからスタートさせるのはどう考えてもおかしいですよね。「誰でも」という言葉が入っている教材はとにかくたくさん売ることを目的とした詐欺です。本当にいい教材は対象年齢や、レベルが明確化されています。
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レビューの量と質
気になる英語の教材があったら、その教材の名前で検索をかけてあらゆる口コミやレビューを探しましょう。ときどき「まだ成果は出ていませんが期待を込めて☆5つ」なんて書いて高評価を与える人もいるので要注意です。
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数か月でマスターできると書いてある場合は注意
英語が話せると言っても、そのレベルは様々です。なんとか自己紹介ができるレベルなのか、ビジネスの場で激しい議論ができるレベルなのかはっきりしません。英語のド素人にとってはどちらも同じでしょうが2つの英語レベルには雲泥の差があります。
「英語をマスターできると聞いていたのに、テキストを最後までようやく自己紹介ができる程度」なんていう話もあります。英語を数か月でよどみなくペラペラ喋るのは困難だと頭に入れておきましょう。
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今だけと言って焦らせる商法に注意
「締切まであと3時間」「残りわずか2名様」などと謳って買おうか迷っている人を焦らせるのは典型的な手法です。しかし情報商材を売る側にとっては締切や定員をつくるメリットは何もありません。商材をつくる費用なんてたかが知れていまから、とにかくたくさん売るほうが利益につながります。締切や定員をもうけるような場合は詐欺の可能性が非常に高いです。
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返金保証のあるものを選ぼう
優良な教材の場合、大抵は返金保証がついています。返金を受け付けているのはそれだけ教材のクオリティに自信があるという証拠です。返金保証があり、なおかつ条件が事前にはっきりわかるものだけを買いましょう。
市販の本と、ネット上で売られた教材はどちらが優れているか
値段を抜きに中身のクオリティだけを比べたら市販のものとネット上のものはどちらが優れているのでしょうか。普通に考えたらネット上の教材は高価なので中身も伴っているべきです。様々な教材の宣伝を見てきましたが教材の作成者で比べると両者にそこまで差はありません。(ネット上のほうが経歴詐称が容易なのでそこまで参考にはなりませんが)
作った教材を本にして出版するか、ネット上で売るかは煎じ詰めると
- 作者の考え方
- 多くの人に読んでもらうことを優先するかどうか
- 出版社に相手にしてもらえるか
の3つに集約されます。
電子書籍が普及していますが、ほとんどの日本人は現在のところ、自分の商材をネットで販売することに抵抗があります。紙の本のほうが安心感があるし、形になるから良いと考える人が多いですね。この辺りは個人の好みの問題なので製作者の能力とは関係ありません。
また、紙の本だとうまくいけば何万人の人に買われますし、立ち読みも含めればもっと多くの人に読んでもらえます。逆にネット上の教材がそこまで売れることはまずありませんが単価が高くなっています。
3番目に、紙の出版を許可してもらうのは簡単ではありません。無名な人であれば出版社との交渉は難航するでしょう。
以上のことから考えると、紙の本はある程度実績がある人が、多くの人に読んでもらうために書くため、価格は安くても一定のクオリティが確保されています。
逆にネット上の教材は制作者の実力がピンキリで、利益を出すことに重点が置かれています。ネット上にもいい教材はあるのでしょうが、市販の優れた教材と比べてコスパがいいということはまずないでしょう。市販の本なら詐欺の心配もありません。アマゾンを使えば、優れた教材をワンコインで買うことがだってできます。
最後に 教材よりも大事なのは継続して勉強すること
いくらいい教材を使っても3日坊主では意味がありません。何か月も毎日英語に触れる必要があります。同じ教材をずっと使っていればいつか飽きが来てしまうでしょう。
単調な勉強の中にも変化や楽しみを加えることが大事です。日々の教材と並行して海外ドラマを見て、言い回しを覚えたり、シャドーイングすることは非常に効果的です。自分の周りで一番人気なのはHuluで洋画を見る勉強法です。特にアメリカのドラマ「フレンズ」は、固すぎず柔らかすぎず、簡単すぎず難しすぎず、しかも面白いので英語の学習にはもってこいです。月額1000円ほどで海外映画が見放題なので、登録しないと損ですよ。