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常識のウソ

「継続は力なり」が嘘になる時代が来るかもしれない


目次

いつの時代も「継続は力なり」は変わらなかった

継続は力なり」という言葉は典型的な教訓として親や先生に何度も繰り返し言われ続けたことでしょう。どんなに小さなことでも継続することでやがて大きな成果に結びつく、簡単なことでも飽きずに続けるのは難しいということに異論はありません。

いや、少なくとも今までの時代はそうだったのかもしれません。学業でも、仕事でも、スポーツや芸術でも、成功を収めた人は一つのことに長く打ち込んできた人です。メジャーのイチロー選手もほぼ同じような言葉をメディアの前で語っています。地味な練習や努力の継続をいとわない人がうまくいきやすい世の中といえます。

 

今の時代の成功法則は大きく3つ

もちろんただ継続すれば必ず成功するわけではありません。今の時代に成功する条件というのは

  1. 正しい情報を集める
  2. 目標を正しく立てる
  3. とにかく継続する

この3つに集約されます。世の中には数多くの自己啓発書がありますが、煎じ詰めると結局この3つのうちのどれかに当てはまります。

情報収集を怠らずに広くアンテナを張り、正しい方向性(目標)で長期間根気よく継続していれば大抵のことはうまくいきます。もちろん誰もが大富豪になれるわけではありませんが、これらを実践していれば大失敗することはまずありません。今の時代は。

成功法則は時代とともに少なくなってゆく

今上で挙げた3つの成功法則はあくまで今の日本の社会に当てはまりますが、いつの時代もそうだったわけではありません。

数百年前なら成功するには「家柄」が重要でした。食べ物のろくにない貧しい国なら「健康な体」が成功法則に入ってくるかもしれません。インターネットのない頃は情報というより「人脈」のほうが重要でした。女性の権利が弱かった時代ならば「美貌」の重要性は高まります。

私の考えでは成功法則というものは時代とともに、社会の変化とともに少なくなると思います。昔なら幾多の戦争、差別、障壁を取り払ったうえでなお努力したものが成功する世の中でした。

それが民主主義、インターネット、科学技術などの発展で取り払われ、今の時代では「成功法則」と呼ばれるものがたったの3種類になったというのが私の持論です。

その理論で行けばこれからの時代、成功法則は3種類からさらに少なくなってゆくというのが私の考えです。「長く継続しないと成功はない」という、継続が苦手な人にとっては大きな障害となる要素が減る未来が待っているかもしれないのです。

継続は力なりの正当性を疑ってみる

今の時代に「継続は力なり」が間違いだと言いたいのではありません。ただ、そのようにいわれる理由をもう一度考えてみようという話です。

継続は力なりとは「成功にはある程度長い時間が必要である」という要素が含まれています。その時間とは

  1. 実力を身に着けるまでの時間
  2. 実力が世間に認められるまでの時間

の2つに大きく分かれます。

専門性の高い物事を習得するのには長い時間が必要です。一度でなんでも覚えられる人というのはそうはいません。スポーツでも、学業でも、仕事でも、とにかく反復練習し、体が慣れ、不測の事態があっても無意識レベルで反応できるレベルでなれればいけません。資格を取得しようとなれば膨大な勉強時間を費やし、メジャーリーガーになりたいと思えば青春を犠牲にして野球に打ち込みます。寿司職人になろうと思えば、そもそも握らせてもらうのに何年も下積みが必要なんてことがあります。

それに対して実力が世間に認めてもらうまでの時間、というのはどうでしょうか。会社がいくら良い物を作っても、普通売れるのは時間がかかります。口コミでジワジワと広がり、偶然メディアに取り上げられたり、時代の波に乗ってブームになることはありますが、それまで根気良い宣伝の継続が必要です。一度ブランド力がつけば簡単に売れていくのですが、知名度が低いと最初は苦労します。

事業を始めるにはある程度のお金が必要でも、そのお金を借りるためには、自分の事業の重要性を認めてもらう根気のいる努力が必要です。

「継続は力なり」は本来あるべき姿ではない

日本人はどこか「長く努力してきた人は偉い」と思う傾向があり継続は美化されます。しかしこれは、本来無駄で省くべき時間をかけているだけ、ということがよくあります。

先ほど述べた「実力が世間に認められるまでの時間」は実力が正しく評価される仕組みが整っていることの裏返しであり、短ければ短いほど理想的です。いくら素晴らしいものを発明しても、なかなか認められないとなれば、発明者本人だけでなく、それを使うはずの消費者にとっても損な話です。

「実力を身に着ける時間」についても本来は短ければ短いほど効率的、理想的です。特に意味のない下積みについては、若者の時間を奪い、社会的損失につながります。

ところで、企業で行われる下積みには、2つの側面があると僕は考えている。1つは下積みという言葉が示すように、「修行」の側面だ。将来、もっと大きな仕事ができるようになるために、色々と実務を通じて学んでいく。こういう下積みは、独立後などでも役に立つ場合が少なくない。

もう1つが、「順番待ち」の側面だ。年功序列型の組織なんかだと、若い人にはどんなに能力があっても重要な仕事を任せることはできない。だからとりあえず「下積み」と称して業務経験としてはなんとも微妙な仕事をたくさんすることになる。

後者の「順番待ち」的な下積みは、はっきりあまり言って意味がない。「順番待ち」的な下積みが役に立つ日はたぶん永久に来ない。脱社畜ブログ

上記の引用にある「順番待ち」の下積みはもちろんですが、修行の下積みはなるべく短時間で終わるのが理想的です。例えば寿司職人がわずか数か月の修行で一人前になったらどんなにいいことでしょう。

「そんな甘い話はない」という声も聞こえてきそうですが、実際にそんな話も出てきています。飲食人大学という調理学校で3か月、寿司づくりを学んだだけの「鮨 千陽」がミシュランガイドに掲載されるまでになりました。

寿司以外ではどうなのでしょうか。実は最近「実力を身に着けるまでの時間」を無くすような技術も発展してきています。

人工知能とビッグデータで継続の重要度は減っていく

まだ現実にはなっていませんが、人間が記憶をしなくても、記憶そのものを脳に植え付ける機能はおそらく30年後には現実となります。実際にマサチューセッツ工科大学の研究では人間に虚偽記憶を植え付ける技術が開発されています。身体的な感覚まで脳にインプットできたら映画「マトリックス」のような世界ですね。そこまで行かなくても、外国語を翻訳して瞬時に字幕に起こしたり、人工知能を使って英単語を効率的に覚える道具も存在します。

大学を卒業するで20年間コツコツと継続的に勉強して、そこで得た知識と経験を前提にそれ以降生きていくという価値観が変わってくる、という話を落合陽一さんがしていました。私はこの意見に賛成で、先人が築いた知識や経験をデータベースにして脳にインプットできる、もしくは常に片手間においておける時代が来るはずです。

実力が認められるまでの時間」についても短縮の傾向にあります。インターネットの発達で確実に減少しましたが、まだまだ無駄が多いのが現実です。今までネットリテラシーが低かった層が、ネットリテラシーを高め、正しい情報を得て、自ら情報を発信するようになれば世の中はよくなるはずです。

キュレーションサイトより素人の意見が重要な訳

インターネットでおすすめの店を探したいときに、検索上位にキュレーションサイトばかりが出てうんざりした経験はありませんか。「本当においしい店 ○○選」とたくさん情報はあっても、生の意見が乗っていなければ何の参考にもなりません。

そういう意味では誰でも口コミを投稿できる「食べログ」などのサイトは非常に画期的です。素人の投稿により、今ままで評価されてこなかった店が脚光を浴びるようになりました。これは確実に「実力が認められる時間」を短縮させます。

しかし、この中で食べログに実際に投稿をした人はどのくらいいるでしょうか。ネットリテラシーが高く食べ歩きが好きな層しか投稿しないのが現状です。それはそれでいいのですが、その分素人の意見は反映されません。普段食べ歩きをしない素人がそれを食べてどう思ったか、率直な感想を欲しい人は多いはずです。

日本人のスマホを使いこなす技術が上がってくればもっと多様な意見がうまれ、「店の実力」が「人気」により反映されていくでしょう。

 

成功は「継続できる人」の専売特許ではなくなる

最新技術により物事を短時間で習得し、すぐさま評価される時代になったらどうなるでしょうか。まず「継続できない飽きっぽい人」が成功する確率が格段に上がります。

今までは「大した才能や技術はないが根性がある人」がコツコツとつまらないことを上げ認められていましたが、そんな話は減るでしょう。冒頭で述べた3法則のうち残りの2つ

  1. 正しい情報を集める
  2. 正しい方向性で目標を立てる

が相対的に重要になります。ビッグデータが蓄積されれば情報の収集は容易になるでしょう。情報収集では単にネットで調べられるのは当たり前で、独自の人脈、ルートを持っているかが差を分けます。

これからはモチベーション格差の時代へ

情報収集より注目すべきは、「正しい方向性で目標を立てられるか」です。目標を立てる、というのは簡単そうで難しいのです。人気の職業が公務員、なんていう夢のない時代です。

そんな時代に大きな目標を立てるというのは、それだけで十分差別化になるでしょう。しっかりと方向性を頭に描き、第一歩を踏み出した人間が高い確率で成功する、そんな時代が来るでしょう。

もちろん高い確率といっても、いきなり会社を起こして5割も6割もうまくいくわけではないでしょう。いまより少し高い確率になるという話です。たとえ失敗してもモチベーションを保って、もう一度目標が立てられるか、が鍵です。

「起業はリスクが伴う」という時代は終わりました。インターネットを使えば会社を作らずとも、企業のようなことができます。たとえ失敗しても成功するまで新たに目標を立てられるか、というモチベーション格差の時代がやってきます

 

これからの時代を生き抜くには情報とモチベーション

これからの時代を生き抜くには残り2つの成功法則、情報、目標が必要です。目標というのは、やる気、モチベーションとも言い換えられます。

その2つについて私が革命的な衝撃を受けた本を紹介しましょう。一つ目は実業家のジェフ・ウォーカーが書いた「ザ・ローンチ」です。ビジネスやマーケティングの仕組の変化を見こした新しい種類の起業について書かれています。

今まで100回以上読み返し、読むたびにモチベーションとやる気、新たな目標が湧いてきます。もちろん会社をつくるだけでなく、少しネットでお金を稼ぎたいという人にもモチベーションを与えてくれます。
モチベーションと目標を得たい人はこちら

もう一つの名著が書いたボブ・バーグ著の「マル秘 人脈活用術」です。これからの時代に必要な情報集で差をつけるには人脈が不可欠です。人々のネットリテラシーが高まると、ネット上の情報の価値は確実に減少します。

今までネットで「ググる力」で差別化してきた人は苦労します。人脈を構築しなければ、質の高い情報は得られないでしょう。この本の中には実践的なテクニックが数多く載っており、今も役立っています。今までの人生の中で役に立った本ランキング10位には入ると思います。
人脈を得たい人はこちら

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