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ニュースのウソ

グルメンピックだけではない 世界各地でおこる出店料詐欺の実態

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架空のグルメイベントによって出店料を騙し取る詐欺の手口

2017年5月、日本最大級と称する架空のグルメイベント「グルメンピック」の開催を口実に出店料を一億円以上もだまし取ったとして、大東物産の社長をはじめ関係者が一斉に逮捕されました。一店あたりの出店料が20万円程度なので単純計算でも500店以上から出店料を徴収したことになります。

なぜ500店舗も信用させることができたのか

500もの飲食店が、多少詐欺の疑いをもったにせよ、最終的には儲けられるだろうと予測して出店料を払ってしまったのです。普通に考えれば500店舗が騙されたのはかなりおかしい話ですよね。もちろんこれは大東物産関係者の巧妙なセールストークが一因です。

まず、大東物産はほとんど全ての店舗に「特別枠」を用意すると語り、場所や宣伝の面で有利になると言いました。特別枠はすぐに埋まってしまうといい、飲食店を焦らせることで出店にこぎつけるという古典的手法も使っていました。開催予定である味の素スタジアムの開催予定にもしっかりと記されていました。

また公式ホームページにはスペシャルゲストを呼ぶことになっていたり、当日のアルバイトスタッフまで募集するなど(もちろん全て嘘ですが)一見すると騙されてしまうつくりになっています。

グルメンピックの細かなほころび

施設の予約は信用できない

しかし細かく見ると怪しいところが結構あります。まず開催予定であった味の素スタジアムのアジパンダ広場の使用量は公式ホームページの使用量は54万円です。3つの飲食店から出店料をとれば元がとれてしまう計算です。1億円という額からすればわずかな金額です。例えしっかり予約してあっても、それは開催される証拠にはならないとわかります。

ホームページが適当

また、アルバイトを募集するページにもおかしなところが多々あります。まず時給が書かれていません。待遇として交通費支給や、グルメ券プレゼント、宿泊付きとまで書かれているのに肝心の給料が書かれていません。下の方に「金賞受賞したお店も参加決定」と書かれていますが、何の金賞なのか書かれていません。モンドセレクションのような低レベルの賞もあるのでこんな曖昧な書き方はないでしょう。それに応募も登録フォームがなくメールで応募とずいぶん安っぽいつくりになっています。

トップページには新聞や雑誌に掲載されたとしてリンクが貼ってありますが、すべてリンク切れとなっています。リンク切れはSEOの観点でも悪影響があるので、まともな会社ならリンクを削除しているはずです。

会社に関する細かい情報や代表者の名前もありません。全体的に文字数が少なく、日本最大級のグルメイベントとは思えないホームページの規模の小ささです。

日本最大級のグルメイベント「まんパク」と比較してみましょう。まんパクではスタッフのブログを載せていたり、ツイッターアカウントをつくったり、マスコットキャラクターを作ったり、FAQをのせるなど趣向が凝らされています。

ネット上のショッピングモールでも出店料詐欺の被害

以前から少ないながらも同様の出店料詐欺の話はありました。よくあるのがインターネット上のショッピングモール。そのサイトにいけば登録した店舗の商品を一斉に検索できるという楽天のようなシステムです。

そのサイトに「儲かるから出店しよう。出店料などは前払いね」と言われて払ったものの全く商品が売れないというケースが目立ちます。

中小企業や個人商店が狙われる

ショッピングモールでは大抵零細企業や個人が狙われます。小さな企業は意思決定も早く、社長の独断で出店が決まったりするので「今だけ」「あなただけ」という言葉に非常に弱いのです。反対に大企業の場合は出店するかどうか会議で決めハンコをもらって、交渉してといろいろ面倒なのであまり狙われません。

特に小規模のアパレル企業に「うちに出店すれば雑誌とタイアップする。雑誌に広告を出せる」と嘘をついて出品させることもあります。アパレル企業にとっては願ってもない出来事なので少々詐欺っぽくてもお金を払ってしまうのです。

先行者利益は存在する

あまり儲かっていない企業に「あなたの会社と同じ規模、似たような商品を扱う他店はこんなに儲かっています」などと甘い言葉で誘います。この場合はお金をしっかり払えばちゃんと出店は可能です。企画自体が行われないグルメンピックとはここが違います。しかし似たような商品、価格でも売上が同じとは限りません。そういう場合は新参者より長く続けている方が客の信頼やレビューの面で有利です。そもそも会社の信用度が違います。

一部のショッピングモールには

「とりたてて魅力的な店ではないのにめちゃくちゃ売れている」

と思わせるためだけのダミーの店も存在します。そうした店はやたらと評判が高く販売実績も多い一方で、注文しようとすると常に「人気のため品切れ中」となります。さすがにここまで来るとなかなか見分けがつきません。非常に巧妙な手口です。

出店料詐欺に騙されないためには

こうした詐欺は世界中で起きています。代表的なものでは、2015年にはタイの高級商店街にチェーン店を出店するように持ち掛け、出店料をだまし取る事件がありました。

特に中小企業や個人で商売をしている人は、出店を持ち掛けられたら以下の特徴がないか確かめましょう。

  • 出品料だけでなく諸費用の前払いを命じられる
  • 営業マンの態度が上から (この時点でまともな会社ではない )
  • ホームページの会社情報が少ない
  • ショッピングモールの規模が小さすぎる(ネット上の場合、小さすぎるとまず売れない)
  • 「今だけ」「あなただけ」ということを強調してくる

今の時代わざわざ大金を払って登録しなくても、十分に宣伝する方法はたくさんあります。SEOに力を入れる方がお金もかかりませんし、検索順位があがれば大きな効果が期待できます。「出店さえすれば売れていく」という甘い言葉に要注意です。



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