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免許を偽造して一躍有名になったアナウンサー
先日静岡第一テレビのアナウンサーが、無免許で車を運転していたことが判明し、逮捕されました。
より厳密に言えば「偽造運転免許」を持って運転していて、追突事故を起こしたという流れです。アナウンサーとしてではなく、犯罪者として一躍有名になってしまいました。
偽造免許証をいかにして作ったか
これに関しては自分で作ろうとする人はかなり少数派のようで、インターネットで業者を探して注文するのが一般的です。(もちろんこの時点でれっきとした犯罪です)
表沙汰になってはいけないことなので、ディープウェブ(普通の検索エンジンからは到達できない謎に包まれたネット上の世界)で行われることも一般的です。
しかし、ディープウェブだけに収まらないのが免許証偽造の特徴です。検索エンジンで「免許証 偽造 代行」と検索すると少数ですが業者が出てきます。警察がおとり捜査をすれば業者側はすぐに捕まることは容易に想像できます。
彼らの真の目的は個人情報を集めることです。
偽造の免許を作るためには顔写真、届け先の住所、メールアドレスを少なくとも相手に教える必要があります。
あとは本名さえ教えてしまえば、かなり強力な個人情報です。
個人情報を伝え、お金を振り込んだら(プリペイドカードを買わせるパターンも多い)連絡がつかなくなった、という話もあります。申し込む人も法に触れているので警察に連絡できません。これに関しては自業自得としか言いようがありません。
本人確認がゆるいマイナーなSNSを使って行う業者も存在すると耳にしたことがあります。
一般人でも免許証を提示される機会は増えている
偽造免許証の見抜き方がわかったところでどんな意味があるの?と思う方も多いことでしょう。免許証を提示するのは、役所や店頭、金融機関だけではありません。
最近ではメルカリアッテやジモティのように実際に合って取引をするフリマサービスが出てきました。その際に最低限の身元確認のために身分証を提示することが推奨されています。
それ以外にも、個人間の取引の際に身分証を使う場面があります。例えば個人契約の家庭教師を雇う際は、会社を通していないので身分の確認が必須です。知り合いが家庭教師を雇った際に身元の確認を怠ったため、虚偽の学歴や住所、合格実績を見抜けずお金を払い続けてしまったという例があります。(幸いその息子さんは志望校に合格しましたが)
他にも恋人が偽造免許証を作って、年齢を偽装し続けていたという話もあります。結婚を考えるのであれば年齢のサバ読みはかなり大きな問題になります。
免許証偽造を見抜く10の鉄則
金融機関なら専用の機械があり、免許証の厚みや透かし、チェックディジットの正誤などを数秒の間に読み取り偽造を見抜くことも可能です。
しかし一般の家庭にそこまでする余裕も必要性もないでしょう。もし偽造する人がいたとしても
「素人にちょっと見せるだけだから」
と考えてそこまで精巧には作らないでしょう。まずは素人でもできる方法をマスターしておきましょう。
1 最初の2ケタの意味を知っておく
免許証の左下に12ケタの数字が書かれていますよね。あれは桁ごとにしっかりと意味があります。
最初、つまり一番左の2ケタは初めて免許証を交付した公安委員会の場所を表しています。小さい数字ほど東日本、大きい数字ほど西日本となっています。
具体的には10は北海道、20は青森、30は東京、50は富山、70が島根、90が福岡などのようになっています。
全部は覚えきれないでしょうが、キリのいいものを何個か覚えておけば相手の住民票がどこにあるのか、大体わかります。
もし左から2番目の数字が6以上なら少し注意が必要です。というのも2番目の数字が6以上であれば一番左の数字は必ず4か9になるからです。もしそれ以外の数字、例えば「18」「36」であれば一発で偽造が確定します。
2 流れで実家を聞こう
1と関連しますが、実家を聞くのも効果的です。自分の縁もゆかりもない土地で免許をとることは通常ありません。
初めて免許を取る際は実家、もしくは大学の下宿先が大半です。そのどちらにも当てはまらない場合は少し慎重になりましょう。(もちろん例外は多々あります)
3 生年月日は意外と覚えていないもの
免許を偽造する人は、通常は身分を偽造するためにやっているのですから、顔写真以外は実際の個人情報と変えるのが普通です。
偽造した人は割とどんな情報を入れたか覚えていないと聞いたことがあります。
一番いいのが干支を使った方法です。相手に免許を見せてもらったらそれを自分の手に取り、
「へえ、申年(免許証記載と違う年)生まれなんですね。私の旦那(妻)と一緒です。」
とかまをかけましょう。そこで相手が「いえ違いますよ」と言ってきたらOKです。万が一相手が、「どんな年号を記入したっけな」とうろ覚えであれば、適当にうなずくはずので偽造が見抜けます。
4 数字の全角と半角に注意
運転免許の住所の数字は全角、生年月日は半角になっているはずです。念のため確認しておきましょう。
5 最後の数字があまりに大きい場合は注意
12ケタの数字の最後の数字は免許の再発行回数を表します。簡単に言えば「何回免許証をなくしたか」ということになります。一回も再発行を受けなければ0になっているはずです。
この数字があまりにも大きい場合はデタラメに作られているか、相当物を無くしやすいということになります。どちらにしてもあまり人間的に信用できません。
6 カラコンをしていたらアウト
免許証の写真は身分確認を兼ねているのでカラーコンタクトは禁止されています。もし写真で目の色が変わっていたら一発で偽造と分かります。
7 眼鏡に関する記載に注意
運転の際に眼鏡やコンタクトが必要なら「眼鏡等」という記載は必ずあるはずです。もし写真で眼鏡をかけているのに、「眼鏡等」の記載がない場合は偽造だとわかります。ただし記載があるからと言って必ずしもかけている必要はありません。(コンタクトの場合もあるので)
8 怪しまれずに透かしを確認する方法とは
光をあてて透かしがなければ偽造と一発でわかります。問題はいかにして相手に不快感を与えないかです。普通の人なら、他人がわざわざ自分の免許証の透かしを確認したら、疑われているようで不快に思います。
一番いいのはずばり室内でパソコンを使う方法です。あらかじめパソコンを開いておき、その状態で相手の免許証を確認。画面自体が光源になりますので自然な流れで透かしを確認できます。
9 厚さは自分の免許と比べてみる
こちらもパソコンを使うのが無難でしょう。今の免許証の厚さは0.78mmと決まっていますから薄すぎたり、厚すぎたらアウトです。相手と向かい合ってパソコンを開けば自分の手元は相手から見えません。パソコンのキーボードの上に自分の免許証をこっそりおいておき、厚さを比較するのです。
10 余裕があればチェックディジットも確認しよう
12ケタの数字の11桁目、つまり右から2番目はチェックディジットと呼ばれ、複雑な計算式によって導き出されます。これは番号に不正がないか、入力に誤りがないかを確認するために設けられています。まず、左から10個の数字にそれぞれ、決まった数をかけて合計します
301612345630
この場合、
(5×3)+(4×0)+(3×1)+(2×6)+(7×1)+(6×2)+(5×3)+(4×4)+(3×5)+(2×6) ⇒=107
そして107を11で割ってあまり8。11から8を引いて3。この3が11桁目の数字になります。
暗算の達人であればその場でできるのでしょうが、私には無理です。まずは1~9までの鉄則をしっかり確認しましょう。
間違っても自分で偽造免許などつくらないように。